2019.02.02第18回日本亜鉛栄養治療研究会に参加しました

日本亜鉛栄養治療研究会に参加しました。名前の通り、亜鉛療法の研究会。獨協医科大学埼玉医療センター、リプロダクションセンターの岩端先生の血液と精漿中の亜鉛濃度と男性不妊の関連についての講演を聞くことが目的でした。

今年の研究会のテーマは「受精と不妊・摂食・脳神経系・亜鉛製剤」でした。

亜鉛は代表的な必須微量元素で、なんと!300種類以上の酵素に活性化に必要な成分で、欠乏すると味覚障害、皮膚炎、脱毛、貧血、口内炎、男性機能異常、易感染症、骨粗しょう症などが発症するということで、亜鉛療法に取り組む領域も多岐に渡るようで、参加されている研究者やドクターの専門領域もさまざまなことが他の学会や研究会とは異なるところです。

生殖機能に関連する講演は2つで、まずは、麻布大学の伊藤先生による「不妊症の現状とその克服に向けた亜鉛シグナルの解明」。

受精時にカルシウムイオンの上昇が起こることはよく知られていますが、亜鉛も受精卵の中から外に、一気に放出される現象、亜鉛スパイクが起こるというのです。放出量が多いほうがその後の胚発生が良好とのこと。

また、子宮側でも胚の着床時や胎盤形成時に亜鉛イオンが上昇することがわかっているそうです。まさに、発生に深く関与しているということですね。

亜鉛スパイクや亜鉛イオン上昇は亜鉛濃度に関連するのでしょうか。そんな単純なものではないとは思いますが、亜鉛不足は避けなければなりません。

もう1つの講演が岩端先生でした。

これまで男性不妊患者さん、300名以上に血液中の亜鉛を測定したところ、4割弱の男性が80μg/dLの潜在性亜鉛欠乏だったそうで、想像以上に亜鉛が不足している男性が多かったとのこと。

その結果、亜鉛低値と精液量と前進精子運動率が有意に関連していたそうです。

さらには、精子DNA断片化率も高い傾向がみられたようで、サンプル数を増やせば有意差が出る可能性が高いとのこと。亜鉛不足は精液量だけでなく、運動性能や質にも関連するようです。

それで、亜鉛低値の男性不妊患者さんに当社の亜鉛サプリメントを投与していただいたところ改善が見られたとのこと。これからデータがまとまるのが楽しみです。

亜鉛不足の原因として考えられるのは、やはり、主に食生活ではないかとのこと。

今後、食事内容等も調べていかれる予定とのこと。

女性も、男性も亜鉛は大事な栄養素です。